モデルズコスメティクス モリナガ | 大塚 貴久子さん

文:大内理加 (大内商店) / 写真:Shintaro Niimoto (studio SARA)


人生というランウェイに立つお客様へ
シンデレラの魔法使いのような存在になりたい

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母が築いてくれた美の道を
お客様の美しさを引き出すステージに変えて

 人間の輝きは内面からやってくる。女性は外面の美しさによって、心の有り様も変わってくる。本当の化粧とは、外面も内面もどちらも輝かせてくれる魔法なのだ。まるでシンデレラの美しさを引き出した魔法使いのように、お客さんに笑顔の花を咲かせる。「モデルズコスメティクス モリナガ」で働く大塚貴久子さん達を見ていて、そんな思いがよぎった。もともとこの店は街の化粧品屋として40年以上もの間愛されてきた「モリナガ化粧品」が前身。創始者であるお母様は、女性起業家として多数の店を経営するうきはでも名の知れた存在だ。化粧についての悩みに応えて来たり、歌謡ショーを開いたりと、地域の女性客からの信頼も厚い。そんな母から12年前にこの店を引き継いだ大塚さんは、店名を「モデルズコスメティクス モリナガ」に変えた。ここを訪れたお客様には一つ上の美のステージに立って欲しいから。「モデル」とは「お客様」の事なのだ。

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ごく自然に選んだ美容業界
母の姿と地域の交流が人生の転機に

「子どもの時から将来の夢の三番目くらいに化粧品屋って書いていました。無意識に入れていたのですが、母の背中を見ていたんでしょうね」
 やがて化粧品メーカーに就職し、自分の実家であるモリナガ化粧品がクライアントになった。そこでお客さんの喜ぶ顔を引き出す母の姿を見て様々な事を学ぶうちに、大塚さんもご指名が付くようになった。
「お客様から『きっこちゃんに相談があるの』って言われた時、初めて美容の仕事に対してのやりがいを感じたんです」
 そんな中、お母様が投げかけた「明日辞めてもいいから、店をやってみらん?」という一言が森永さんの人生を大きく変えた。
「母は仕事を辞める気はないので、私が仕事を継いで、私が辞めればと。かなり面白い選択ですよね。継ぐ事を決めたけれど、いつでも辞められるという安心感がある。今でもそう思っています。楽しいから辞めないけど(笑)」

店内にはお客様が作ったアクセサリーや雑貨、洋服なども販売している。
店内にはお客様が作ったアクセサリーや雑貨、洋服なども販売している。
カラフルな手編みのニットキャップ(1個700円)は、購入金額の一部がうきはのスポーツ支援のために寄付される
カラフルな手編みのニットキャップ(1個700円)は、購入金額の一部がうきはのスポーツ支援のために寄付される

起業の先輩とスタッフが教えてくれた
チームとして働くというスタイル

 お店を継ぐ事を決めた後、分かったことも多い。
「最初は母がやってきた事をそのまま引き継いでいました。母はやっぱりすごくて、ずっと負けている気がしていた。でも、今は時代も違うし、競合店も多い。母と同じ事をしても通用しない。比べていてもダメだなって。ターニングポイントになったのは、うきは青年会議所に入った頃かな」
 そこで、地元で起業家として活躍する人達に、組織の在り方や代表についての心構え、社員との関係性など、現場の生の声を聞く事ができた。
「社員さんの変化を見る事、社員さんに変化してもらう事が大事だと教えられました。そんな意識でスタッフさんと接すると、以前と同じような事をしてちゃいけない。自分から何かを変えていこうとする姿勢が見えた。そこから、社長と社員という雇用関係ではなく、皆でチームとなって取り組む姿勢に置き換えたんです」

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コスメは国内メーカーのものを中心に取揃えている。日本の四季の繊細な変化に対応できるのはやはり国産のものだという考えからだ
コスメは国内メーカーのものを中心に取揃えている。日本の四季の繊細な変化に対応できるのはやはり国産のものだという考えからだ

一緒に駆け抜けてくれたスタッフには
うちで働く楽しさを感じて欲しい

 チームとして働く上で、大塚さんがスタッフに対して心がけたのは「ミスをした時は注意してもらう、教えてもらったらしっかりお礼を言う」という事。
 ミーティングなどでも、一つのミスは全員のミスとして反省する。今まで大塚さんを支えてくれた分、感謝の気持ちも厚い。
「いつも大事に考えているのはスタッフの方の生活について。会社としてもっと還元できるようになりたい。まだまだだと言われそうですが、ここに勤めているとラッキーって思ってもらえるといいですね。以前、スタッフさんがお客さんから仕事が楽しそうねって言われて、本当に楽しいって答えているのを聞いた時は本当に嬉しかったな」
 今でも社内での食事会を開催するなど交流を欠かさない。
「皆の士気が盛り上がっている時は食事会、なんか落ち込んでいるなと思ったらケーキを食べます(笑)」
 社員への感謝と尊敬を抱く大塚さん流の経営術だ。

スタッフさんは20〜60代まで、各世代の女性がそろう。若い世代から年配の方まで幅広い相談に乗れるのも強みの一つ
スタッフさんは20〜60代まで、各世代の女性がそろう。若い世代から年配の方まで幅広い相談に乗れるのも強みの一つ
コスメ販売に加えて、眉スタイリング(540円)やパーティフルメイク(2700円)、ライト美容など、店内では様々なサービスが受けられる。頼りになる近所のお姉さんのような気さくなスタッフさんとの会話を楽しみにしているリピーターも多い
コスメ販売に加えて、眉スタイリング(540円)やパーティフルメイク(2700円)、ライト美容など、店内では様々なサービスが受けられる。頼りになる近所のお姉さんのような気さくなスタッフさんとの会話を楽しみにしているリピーターも多い
店内では、簡単なお化粧レッスンも受けられる。意外に知らなかったテクニックが学べると評判だ。「例えば、家族から褒められて嬉しくなったり、買ったものの使えなかった化粧品も活用できたり。お化粧でキレイになる事が人生の喜びにつながればいいと思っています」
店内では、簡単なお化粧レッスンも受けられる。意外に知らなかったテクニックが学べると評判だ。「例えば、家族から褒められて嬉しくなったり、買ったものの使えなかった化粧品も活用できたり。お化粧でキレイになる事が人生の喜びにつながればいいと思っています」

お客様の人生にスポットライトを
キラキラと輝く“うきは美人”を作りたい

 スタッフだけではなく、お客様への思いももちろん熱い。
「モデルズコスメティクス モリナガ」という名前は、お客様がモデルのように人生というステージを颯爽と歩けるよう、お手伝いをしたいとの思いを込めて名付けたという。そんな大塚さんの次なる目標は、うきはで暮らす女性に実際にスポットライトを当てる事。
「メイクやヘア、ファッションをコーディネートしてうきはコレクションを開催したい。お客様には本当にモデルになってもらって。うきは美人を作りたいんです」
女性に美という希望を伝えるため、大塚さんの魔法の指先は今日も忙しく動く。その姿こそが何よりも輝いていて、うきはの女性に勇気を与えてくれる。

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大塚さんの好きな景色は夕暮れと夜が混じり合うマジックアワーの時間帯。広い田園地帯ならではのダイナミックな夕暮れはまさに絶景
大塚さんの好きな景色は夕暮れと夜が混じり合うマジックアワーの時間帯。広い田園地帯ならではのダイナミックな夕暮れはまさに絶景

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